「紅羽ちゃんの髪はいつ見ても綺麗ね」
「都のお母さんだって、綺麗だよ」
うるわしい笑みを向けられて、女同士とはいえドキドキしてしまう。
さすがイケメン都の生みの親というか。
包みこむような雰囲気の中にもほのかな色気がただよっていて、お手本のようなイイ女だ。
じっと…都のお母さんに見とれていると、鏡越しにふいに視線が交わり、しなやかな手つきで髪を撫でられる。
「ふふ、ほんとうに綺麗。綺麗よ…紅羽ちゃん」
うっとりと、つぶやかれる。
まるで、目の前のそれに心酔しているようなまなざしに、えもいえぬ寒気が走った。
なに、このかんじ。
「あ、ありがとう」
都のお母さんて、こんな目をする人だったっけ。
幼いころからお世話になっていて、娘のように可愛がってくれているのは知っているけど。
今向けられているまなざしは、いつもくれるものとは明らかに違う気がした。
「綺麗…綺麗ね…」
背後にいる人物が別人のように思えてきてしまい、視線を逸らしてしまう。



