やさしく髪を梳かれ、小気味よいハサミの音がクーラーの効いた涼しい部屋に響いていく。



幼いころ、いつも私の髪を切ってくれたのは都のお母さんだった。



手先が器用で毎回かわいく仕上げてくれるから、散髪のあとの私はいつもご機嫌だったっけ。



だけど中学に上がってからはそれなりにオシャレに気を使うようになり、村から離れた美容院なんかを予約して通うようになった。



もうこうして髪を切ってもらう機会なんてないかなと思っていたけど



まさか唐獅子様のおかげでこの懐かしさをまた味わえる日がくるなんて、皮肉にしても複雑だ。