「はぁぁ?!紅羽の髪を?!唐獅子様に?!んなことさせるかよ!!てかぜってーやらねぇ!!それならオレの髪をくれてやる!!!」




冴が食い気味に言い放った。



そんな彼を横目で見ていた優がせせら笑う。




「いやいや、この中でいちばん短髪なの冴でしょ。そんなチリチリ髪誰が喜ぶの?」


「うるせーな!じゃあお前は紅羽の髪をやってもいーってのかよ!!」


「そんないちいち騒がなくても髪一本だってあげないよ。紅羽を構成するものは全部おれのだもん」


「おい!どさくさにまぎれてヘンなことぬかすな!」




噛みつき合うふたり。
そのそばで、都は焦りを滲ませながら私の手を握った。




「ねぇ紅羽、考え直してくれる?紅羽の髪をあげるなんて俺だっていやだ」




眉を下げて懇願されるが、それでも私の意思が揺らぐことはなかった。