「俺には紅羽がいればそれでいい。紅羽しかいらない。紅羽だけが欲しい。あとはどうだっていいよ。だからさ…お願い。"その時"が来たら俺に攫われて。2人だけの場所で永遠に暮らそうよ」
請うように、縋るように、甘えるように
私を抱きながらこぼし続ける都の声は哀しげだった。
どうしてそんなことを言うのだろう…
"その時"ってなに?
都はなにを知っているの?
もう…4人一緒というのは通用しないの?
重なる疑念に覆い被さる、切なさ。
訊きたいことはたくさんあるけど、言葉にしてしまえばなにかが終わってしまう気がして、唇を噛むことしかできなかった。
都の震えが止まるまで、私はひたすら背中を撫でて続けた。
───彼が、どんな気持ちでいたかも知らずに。



