───シャン




刹那、黒髪が消えた。



私の肩口に頭が落とされたのだった。



フェンスの網が軋み、都が深く息を吐き出した。



「ほんとに…だめなのにね。死ぬほど妬ける」



自嘲混じりに



なにかを必死にこらえるみたいに



都が私に笑いかけた。



すぐに分かる。
これはいつもの都だって。



まるで仮面が外れたかのように相好が変化するその様子は、いつかの冴を彷彿とさせた。



すると、なにを思ったのか都が突然私の首に手をかけた。



そのまま絞められるのかと一瞬怯んだけど、その手のひらは肌の上に指を這わせるだけだった。



撫でる…というより擦るような動き。
そしてある部分でピタリと止まる。



そこは以前、冴と優に口づけられた部位。
おまじない…の場所だった。