「え…?」
振り返れば、都がすぐ背後に立っていた。
「紅羽」そう甘く呼ばれたと思えば
腕をそのまま引かれ、一瞬でフェンスに背を押し付けられてしまう。
シャン…と金属の揺れる音が響き、小刻みな振動が伝わった。
「み、都…?」
「………」
名を呼んでも応えてはくれない。
無表情に、だけどまっすぐ射抜かれる。
普段のやさしさ溢れる都の雰囲気はどこにもなかった。
「………」
やおら動き出した都は、その手を私の顔の両脇についた。
フェンスの網をぎゅっと握る音が鼓膜を掠める。
眼前いっぱいに都の姿。
まるで閉じ込められているような錯覚に陥る。



