どこか安堵すらおぼえていると、昼休み終了のチャイムが鳴った。



「よし、じゃあ戻るか。続きはまた今度話そうぜ」



立ち上がる冴につられて私たちも腰を上げる。



空が高かった。



ゆっくりと仰げば雲一つない蒼天に抱きしめられる。



セミが忙しく鳴き、運ばれてくるのは夏の風。



高校最後の一時がこんな事態になるとは思わなかった。



暑くて汗ばかり出てくる季節だというのに、最近は肝が冷えることばかりだ。



早く…唐獅子様が山へと帰ってくれればいいな…



吹きさらしの屋上から悠然と鎮座する山々を一望し、冴たちの背中を追うために踵を返す。





───しかし、それを引き止めるように、手首を掴まれた。