こんな話、聞かされても迷惑だよね……。

 星君の顔を見ることが出来なくて、視線を下に下げた。

 なんて言われるんだろう、ただそれだけを思ってぎゅっと目を瞑る。

「七月の言いたいことは分かったよ。」

 いつもの声色でそう言われた言葉にやっぱり、という気持ちが生まれる。

 星君から尋ねて来たにしろ、こんな話をされるほうは辛いと思う。

 しないほうが、良かったのかな。

 そう思うと同時に、ある事にも気づいた。

 なんだか、心がぽっかりと空いた気がする。

 どうしてそう思うのかは分からないけど、どうしようもなく苦しい。

 いたたまれなくなって立ち上がろうとした時、ぎゅっと星君に抱きしめられた。

「……ほ、しくん?」

 何するの?なんて言葉は言わせてもらえず、代わりに星君の言葉が降ってくる。

「何も言わなくていいからね。七月の気持ちは分かってるから。大丈夫だから。」

 そう言って私の背中をポンポンと叩いてくれる星君。

 その瞬間、じわっと視界が滲んだ。

 ……そうだ、私が欲しかったのはこんなものだったのかもしれない。