空から降ってきた星君

 まぁ、とりあえずは……。

「星君、空にお帰りください。」

 この妖精を空に帰すのが先だっ!

 案の定、というか予想通り過ぎる反応が返ってくる。

「えー何でー!?」

 何で何で!?と大ブーイングが聞こえるがそれはサラッと流す。

「何でも。別に私の願いなんかなくても困らないでしょ。何かを願いたいなんてこともあんまり思ってないし、お帰りください。星君の思惑には乗せられません。」

 初対面の人……妖精にずかずか言うのは気が引けるが何かがあってからじゃ遅い。

 妖精が来るって……信じられないし。

 なんとか返そうと必死になっている私に、星君も全く引かない。

「今年こそは、七月に自分の願い事を願ってもらいたいのにー!七月には幸せになってほしいのにー!」

 そう言って駄々をこねているのは、もう完全に子供にしか見えない。

「じゃ、私が何かお願い事を言ったら帰ってくれるの?」

 試しにそう言ってみると、星君は顔をぱあっと輝かせた。

「うん!あ、でも神様に言われたんだよね。心からの願いじゃないとダメだって。」