流星さんは一般的に言う爽やか系イケメンの部類に入る人。

 だからその印象から、年上みたいな感じがして自然とさん付けになってしまった。

 でもどうしてそんなに不服そうなんだろう?

「ふーん。じゃ、俺が良いって言ったら君付けしてくれる?」

「えっ……でもなんか申し訳ない気がするんですけど。」

 敬意は忘れちゃいけないって習ったことがあるから流石になぁ……と思ったけど、本人がこう言ってるし……という気持ちもある。

 どうしたものか、と悩んでいると代わりに星君が口を開いた。

「ダメ。君付けは僕だけ。流星にはさん付けが似合ってるし、七月もさん付けのままでいいよ。」

 牽制するようにそう言われて言葉が出なくなる。

 見てないけど星君から黒いオーラが出てる気がするんだけども……。

「あー、久しぶりにゾクッてきたかも。星、怒らせると怖いからなぁ……。」

 流星さんが小さく聞こえない声で何かを呟いた気がするけど、気のせいだよね。

「……もうそろそろお暇しようかな。また来るね、七月ちゃん。」