空から降ってきた星君

 し、信じてって言われても、こんなのそう簡単に信じられるわけがない。

 にしても、星君からは何も説明がない。

 空から突然男の子が落ちてきて、私の部屋に居座ってることについて説明を求めたい。

 私はなぜこうなったのかと考えながら、星君に質問を投げた。

「なんで空から落ちてきたの?」

 ため息交じりにそう言うと、星君は私から離れて説明をしてくれた。

「落ちてきたっていうか、降ってきたって感じかな?」

 降ってきた、とは?

 説明を促したくて星君を見つめていると、星君は一瞬だけ顔を赤らめて教えてくれた。

「僕たちはね、この七夕の時期に人間の願いを神様に届けるのが仕事なんだけど、願いを言わない子もいるんだよね。七月は悩んでたから、僕が来たってわけ。」

 へぇ……妖精も大変なんだな。

 他人事のようにぼんやりと思っていると、ふとあることに気づいた。

「その言い方じゃあ、他の子のところにも行ってるってこと?」

 他の悩んでる子のところにも行ってるって感じがするんだけど。

 思ったことをそのまま伝えると、星君はあっさりと首を横に振った。