空から降ってきた星君

 ……もしかしたら、これは夢なんじゃないか?

 ふっとそんな考えが頭をよぎる。

 夢の中であれば、妖精だったり私のことを知ってても不思議ではない。

 試しに自分の頬をつまんで引っ張ってみた……けど。

「……いひゃい。」

 つねったら目が覚めました、なんて展開はなく頬を痛めただけで終わった。

「七月ー、一人で何してるのー?」

 星君にそう聞かれ、夢なんじゃないかと言うことを言ってみた。

 だけれど、星君はぷっと吹き出して笑った。

「あはは、そんなことないよ。僕はちゃんと存在してるもん。」

 ほら、と言われて差し出された手。

 その意図が分からず、何もせずにいると星君に急かされた。

「もう!七月、僕のこと触ってみてよ!」

 若干怒られてしまい、恐る恐る手を伸ばす。

 希望は捨てちゃいけないと思い、何の期待もせずにその手に触れてみた。

 どうせ透けて触れないのがオチ、そう思っていたのに。

「さ、触れてる……。」

「だから言ったじゃん!これは夢じゃなくて現実!信じてよ!」

 ずいっと私のほうに顔を寄せてきて、そう大きな声で言ってくる。