……仕方ない、か。

「分かった、行こ。」

 私が了承すると、星君は予想外だと言わんばかりに目を見開いた。

「え……七月、どうしちゃったの?」

「別にどうもしてないんだけど。」

 突然失礼なことを言ってきた星君にサラッと答える。

 何か変なこと言った?

 分かんないなぁ……と頭を悩ませていると、星君がこう言った。

「七月、僕がここに来た時、結構冷たかったはずだけど今は乗り気なのにびっくりしたんだ。」

 ……言われてみればそうなのかもしれない。

 最近って言っても三日しか経ってないけど、星君と居るのが楽しいと思っている自分がいたんだ。

 そんな自分の心境の変化に驚きながらも「そうだったね。」と返す。

 私が柔らかく返したのが意外だったのかまた驚いている星君に失礼だな、と思いながらもベランダに出す。

「着替えるからちょっと待ってて。」

 そう言うと星君は何故か念を押すように私に言った。

「あ、服はベッドの上にあるから、それ着てね!絶対ぜーったいだよ!」

 服、ですか……。