空から降ってきた星君

「……ちなみに、その好きっていう言葉の真意は……?」

 確認するように恐る恐る聞くと、星君はふふっと上品な笑みを零した。

「もちろん、恋の意味だよ?僕はloveのほうで七月が好きなの。」

 ……あ、もうこれは確定だ。

 そう思わされるほど、冗談を言っているようには見えなかった。

 星君は笑っているけど、目は真剣そのものだったから。

 まぁ、好きっていう言葉の意味は分かった。でも……。

「なんで、私のこと知ってるの?」

 まず、それを聞きたい!

 自分の知らないところで自分のことが知られてるってことって結構怖い。

 星君は微笑みを浮かべたまま、唇を動かした。

「僕は星の妖精だって言ったでしょ?僕たち妖精は空の上にいつもはいるから、人間界のことが丸見えなんだ。だから、僕が七月のこと知ってても不思議じゃないんだよ?」

「は、はぁ……。」

 非現実でないことを聞かされている気がして、適当に相槌を打つ。

 そもそも、星君が本当に妖精なのかも空から落ちてきた理由も、私を好きになってくれた経緯も全く分からない。