空から降ってきた星君

 僕は、七月が口にしたことに驚きを隠せなかった。

『もうすぐ七夕だけど、君は何を願うの?』

 何気なく七月に聞いてみると、七月はうーんと考え込む仕草をした。

 少しの沈黙の後、悩みながらも七月がこう口にした。

『願い事……私、パパとママが元気でいてくれたらそれでいい。』

『……それでいいの?』

 驚いて聞き返すと、七月は首を縦に振った。

『うん。だってパパとママが幸せなら私も嬉しいもん。それに聞いたことあるんだ。』

 そうやって七月は夕暮れの空を見上げた。

『七夕の願い事はね、空の上にいるお星様たちのおかげで叶ってるって。だから、お星様たちにも願い事を叶えてほしいの。その二つが私の願いかな。』

『……っ。』

 七月は天界のことなんて知らないはずなのに、願いを届けるのが僕たちの仕事だって知らないのに、どうしてこんなに優しい言葉をかけてくれるんだろう。

『……って、二つもお願いしたらダメだよね。』

 控えめにそう聞いてきた七月に首を左右に振った。

『ううん。そんなに優しい願いなら叶うはずだよ。』