「あれ……。」

 隣から寝息が聞こえることに気がついて視線をそっちに向ける。

 見てみると、七月が僕の肩にもたれかかって幸せそうに眠っていた。

 ほんと、可愛い……。

 そう思い、ふふっと笑みが零れる。

 僕はこのままでも良いんだけど、七月が可哀想だからきちんとベッドに寝かせることにした。

 うーん、さっきも思ったんだけど……。

「やっぱり軽いなぁ……。」

 七月は見た目は不健康ではないんだけど、どう考えても軽すぎる。

 これ絶対平均以下でしょ。

 七月があんまりご飯を食べていないことは空から見ていたから知っている。

 病気的なものじゃなくて、多分精神の問題。

 七月の家には両親がいないから、そのことも関係しているんだと思う。

 僕は七月をベッドに寝かせ、ベランダに出た。

 夜の風がこの季節はとても気持ちが良い。

 そんな中、思うのは七月のこと。

 七月は自分からは願い事を言わない。いや、願い事自体分かっていないから言えないんだろう。

 だから僕が七月の手助けとして、人間界に降りてきた。