空から降ってきた星君

「か、勝手に女子の部屋に上がらないで!」

 大きな声でそう言い放つと、星君は何でもないといったようにこう私に言った。

「別に七月の部屋には変なものとかないでしょ~。あるとしてもそこのクローゼットにぬいぐるみがたくさん――」

「わああ!何で知ってるの!?」

 何故この人は私の名前だけでなく、ぬいぐるみのことまで知っているの……?

 私の質問に星君は軽く答える。

「僕、七月のことだったらなんでも知ってるよ。例えば、七月は甘いもの全般が好きで、辛いのは苦手。ゆめかわなものを集めるのが趣味。特技は絵を描くことで、この前は美術のコンクール入賞してたね!」

「な、何で知ってるの?」

 この人は……ストーカーなのでしょうか?

 本気でそう思ってしまうほど、私のことを理解している。

 自称妖精で私のことを熟知している人なんて、ヤバい人にしか思えない。

 見た目は私と大差がない感じで、服装だってどこにでもいる男子みたいなラフな格好をしている。

 目立つところと言ったら……茶髪なのに金色メッシュが入っていることくらい。