「……行きたいに決まってるじゃない!可愛い可愛い”娘”に会えるなんて行きたいしか選択肢はないじゃない!でも私が行ったら離れられなくなっちゃうのよ!それが困るから行かなかったのよ!」

 ……やっぱり行きたかったんじゃん。

 どうしてこう、七月ちゃんの周りには本心を言わない人が多いのやら。

「別にぱっと行ってぱっと帰ってくれば良かったのに。」

 そう言ってみるも、神様は悶絶している。

「そんなことが出来たら元から苦労なんてしてないわ!あんな可愛い娘を久しぶりに生で見てさっさと離れろって言うほうがおかしいんじゃない!」

 あー、だめだこりゃ。親バカが炸裂してる。

 実をいうと神様、元々七月ちゃんのお母さんだったんだよね。

 で、生きてるうちの功績がお偉いさんに見初められて、神様になったってわけ。

 ……本人は未だ認めてないけど。

 何でそんなに認めないのって聞いたら……。

『神様なんてなったら仕事がたくさんあるんでしょう!?そしたら七月の姿を見ることが出来ないじゃない!だから嫌なの!』