……七月には絶対に言わないけど。

 言ったら言ったでとんでもないことになりそうだし、星君が黙ってるはずがない。

 それにしても、女になったのを後悔するのこれで何度目だろう。

 七月のそばにいられるだけでも幸せだけど、願いが叶うなら本当に男になりたい。

 ……男になって七月をめちゃくちゃに愛してあげたい。

「凛眞?ぼーっとしてどうしたの?」

 ……いけない、また考えに耽ってた。

 七月は不思議そうな顔で私にそう聞いてくる。

 もうこれ以上迷惑はかけられない。

 私はそっと思って、「何でもないわ。」と返した。

 その時、七月に抱き着く彼が見えた。

「わっ……星君、急に抱き着かないで。」

「えー、だって寂しかったんだもん。良いでしょ?」

 ……せっかく七月と二人で居られる時間だったのに。

 嫉妬の感情を入り混ぜた視線を星君に向けると、私に不敵すぎる笑みを返してきた。

 まるで「七月は僕のだから。手出ししないでね?」なんて言われたような気分。

 そんなのはとっくに理解してる。