空から降ってきた星君

 そんな愛を持っているからこそ、七月には幸せになってほしい。

 だけどやっぱり、七月が他の人に笑いかけてるのは見ていて辛い。

「凛眞?」

「……っ、何?」

 七月に突然呼ばれて反応が一瞬遅れる。

 しまった、考え込みすぎてた……。

「なんかさっきから黙ってるから……調子悪い?」

 心配そうな瞳を向けてくる七月にいつものように冷たく「別に?」と返す。

 本当は今すぐ七月を連れ去ってしまいたい。私だけを見てほしい。

 だけどそんなのはただ七月を苦しめることにしかならないって分かってる。

 本当の七月の幸せじゃないってことは分かってる。

 意味もなく下唇を噛んでいると、突然七月に手を握られた。

 ……っ、え?

「ごめん星君!ちょっと凛眞とお手洗い行ってくるね!」

 そう言って私の手を引いて教室から出た七月。

 その行動が何を意味しているのか分からず、私はただ瞬きを繰り返して驚いているだけだった。

 七月はそのまま人気の少ない廊下に言って、そこで私の手を離した。