空から降ってきた星君

「ひ、人っ!?」

 紛れもない、一人の男の子がいたのです。

 驚いて声を上げている私に、彼は砂埃を払って立ち上がる。

「……七月、だよね?」

「へっ?」

 急に自分の名前を言われて変な声がでる。

 ……っていうか、なんでこの人私の名前知ってるの!?

 信じられない、といった視線を向けると彼は苦笑いをして教えてくれた。

「僕は星の妖精、月名星(つきなほし)だよ!」

 そう言ってにこっと愛想よく笑った彼。

 ……ちょっと待って。

 一気に入ってきた情報に頭が追い付かず、パンク寸前だ。

 星の妖精って何?というか本当にこの人空から落ちてきた人だよね?それにしてはやけにぴんぴんしてる気がしなくもないんだけど……。

「七月?どうしたの?」

 ボーっとしてしまっていたのか彼……えっと星君がそう聞いてくる。

「いや、情報量が多すぎて脳がパンクしそうで……。」

 ぼんやりとしたままそう言うと、星君は「そうだねぇ~。」と言って平然と私の部屋の中に入ってきた。

 ちょ、ちょっと……!?