空から降ってきた星君

「七月、お待たせ――」

 小走りで近づいてぎゅっと抱き着く。

 離れていかないように強く強く。

 星君は理解が追い付いていないらしく、戸惑いながらも抱きしめ返してくれた。

「……七月、最近甘えただね。」

 甘えたではない気がするけどあながち間違いでもないので、きゅっと唇を引き結ぶ。

「僕は嬉しいけど。」

 多分星君は、その言葉でドキッとしている単純な私に気付いてはいない。

 その言葉だけで、私がどれだけドキドキしているか知らないよね。

 私はちょっとだけ意地悪をしてみたくなって、星君の名前を呼んだ。

「星君。」

 小さな声、でもはっきりと言うと星君は気付いて私を見つめる。

 私は恥ずかしさを我慢しながらも、星君の頬に唇を近づけてキスをした。

 口にする勇気なんて私にはない。

 だけど好きを伝えたかったから勢い任せでしてしまった。

 星君は自分の頬を触ってから顔を真っ赤に染めた。

「七月、今、何して……。」

 驚いて私を見てくる星君に笑みが零れる。

 いつも星君からはするくせに、されるのは恥ずかしいんだ。