空から降ってきた星君

 これは……映像?

 夕方の公園で幼い私と男の子が遊んでいる場面が頭の中で流れる。

 その男の子には見覚えしかなかった。

 ……もしかして、星君?

 幼いからはっきりと誰かは分からないけれど星君だとしか考えられない。

 その途端、その記憶を鮮明に思い出すことができた。

 私、幼いころに星君と一回会ってるんだ……。

 幼い頃、あそこで迷子になったらしい星君と遊んだことがある。

 その時に星や七夕の話もしたし、私も久しぶりに楽しかった。

 楽しい、と心から思えたことが少ない私にとってあの体験は貴重なものだった。

 ……私、大切な思い出ばかり忘れてる。

 なんでそんな大事なことを忘れてしまっていたんだろうと、愚かな自分を悔やんだ。

 もしかしたら私はあの時から星君に惹かれていたのかもしれない。

 そんな考えが脳裏をよぎり、無性に星君に会いたくなった。

 またぎゅってしたくて今度は自分から好きを伝えたい。

 そう考えていると、良いタイミングで星君が部屋に入ってきた。