空から降ってきた星君

 ……これ、明日私無事なのかな。

 そう思うほど、事がトントン拍子に進んでしまい動揺してしまう。

 どうか変な事が起きませんように……。

 私の祈りは誰にも届かないまま、消えて行ってしまった。



 休憩時間になり、ふぅ……と息を吐く。

 星君は相変わらずの天才的頭脳で問題を解いていて、クラスメイトだけじゃなく先生まで驚かせていた。

 そんな星君だから女子に群がられることはある……と思ったけど。

「あー、七月をすぐに補給できるの幸せー。」

 星君は訳の分からないことを言いながら、私に抱き着いていた。

 ……恥ずかしい。

 率直な意見を言うとやっぱりそれで流石に恥ずかしい。

 クラスメイトからの視線が痛いし、いたたまれない。

 それに加えて……。

「あんた、七月にベタベタ触るんじゃないわよ。離れなさい。」

 凛眞まで私の席に来てそんなことを言っている。

 ……うん、カオスだ。

「えー嫌だよ。七月はもう僕のなんだから離すわけないじゃん。」

「愛が重たい男は嫌われるわよ。七月が嫌がってるから離しなさい。」