空から降ってきた星君

「諦めるなんてしないけど。」

「?凛眞何か言った?」

 何か聞こえた気がするけど声が小さくて聞き取れなかった。

 凛眞に確認するけど「何でもない。」とはぐらかされ、結局教えてもらえることはなかった。



 ホームルームが始まって先生の話を流して聞く。

 特に大きなこともないなぁ……なんて思っていると、こんな言葉が聞こえてきた。

「最後に、転校生がいるから紹介するぞー。」

 その言葉で教室内が一斉にざわついた。

「今のこの時期に転校ってどんな人なんだろう?」

「あ、もしかしたらあの人なんじゃない?」

「それって瀬川さんといた人?」

 私の名前が突然出てきてあからさまに反応する。

 ま、まさか……。

「じゃ、入ってこーい。」

 先生が廊下に向かってそう言うと、ガラッと教室の扉が開いた。

 その人物に驚いて目を見開く。

 え、待って、どういうこと……っ。

「自己紹介しろ。」

 先生に促され、教卓に立った人物は丁寧な口調で話し始めた。

「月名星です。よろしくお願いします。」