空から降ってきた星君

 ……願い事が言えなきゃ、もう会うことはない。

 だけど私に”言う”なんて選択が取れるとも思わない。

 あはは、恥ずかしいからってそんなの……ダメに決まってるのに。

 星君はいつも言ってくれるのに、私は何も言ってあげられない。

 ……だったら、気持ちを伝える前に離れてしまおうか。

 そうなれば未練も残さずに、モヤモヤせずに離れられる。

 私はそんな考えを募らせ、ついに行動に移してしまった。

「星君、ちょっとあそこの屋台が気になるから見てきても良い?」

「あそこ?分かった、行こっか。」

 星君が一緒に来ることは分かってた。この前のナンパ事件のこともあって星君の警戒心が強くなったのを私は知っている。

 だけど、私は今からそんな気持ちを無下にする。

 私が言葉を言った瞬間、一瞬だけ星君の手が緩んだ。

 その一瞬の隙を狙って、私は走り出した。

「っ、七月!?」

 背後で星君の焦りを含んだ声が聞こえたけど、私は知らないふりをしてそのまま走った。



 走って走って人気のないところまで移動する。