空から降ってきた星君

「……やっぱ病院行こっか。」

「……なんでそんなこと言われなきゃならないの。」

 結構真面目にもう一回提案したが、「七月が鈍いのが悪い。」と言い返されてしまった。

 私、鈍くないし!

 そんな心の中の私の叫びは誰にも聞かれることなく散っていった。



「それにしても、星君が願い事見つけてくれるんだって?」

 お昼休み、悪魔こと凛眞にそう言われ首を縦に振る。

「うん。そうらしいけど、何でそんなことしてくれるんだろうね。別に私の願いなんかなくてもいいと思うのに。」

「七月、星君に言われたこと覚えてるの?」

 ……星君に言われたこと?

 うーんと唸ってみても、それらしいものは分からず首を横に振った。

 その途端、凛眞が何かをぽつりと呟いた。

「星君、ドンマイ。」

「え、何?凛眞なんて言ったの?」

 気になって聞いてみたけど凛眞に「ダメ。」と言われて教えてくれなかった。

 もう、なんで教えてくれないの。

「凛眞のケチ。」

「ケチじゃないし。」

 聞こえない声量で言ったはずなのに、凛眞にはしっかり聞こえていたようだ。