空から降ってきた星君

「話を聞いてる感じ、七月のことを相当溺愛してるみたいだし、カマかけたら面白そうだと思って。」

 ……うん、訳が分からない。

 凛眞、たまに変なことを言う子だとは思ってたけどここまでとは……。

「凛眞、早急に病院に行くことをお勧めするよ。」

 真面目に提案すると、凛眞は大きくて深いため息を思いっきり吐いた。

「はぁー、この鈍感娘。」

「鈍感じゃないし。」

 聞き捨てならない言葉が聞こえ、凛眞にそう反論したが「七月は鈍感。」と言われ、華麗に躱されてしまった。

「それにしても、カマをかけるってどういうことなの。」

 ふてくされ気味にそう言うと、凛眞は急に悪戯っ子のような笑みを浮かべた。

「それはね、星君に嫉妬させるってこと。」

 嫉妬?何のために?

 訳が本当に分からない私に、凛眞は丁寧に説明してくれた。

「星君に嫉妬させたら星君はどんな行動をとるんだろうって思って。……あー、想像しただけでも面白くなりそう。」

 ……なんだ、この悪魔は。

 自分の娯楽のために人を使うとは……やっぱり病院行ったほうが良いんじゃない?