「なーつき、朝だよー?」

「うーん……って、近いっ!」

 朝、妙に元気のいい声に起こされ驚いている私。

 そんな私を見て、星君は「あれれー?」と首を傾げた。

「昨日はあんなに近かったのに、この距離でも近いって言うのー?」

 嫌なところを突かれ、うっと言葉に詰まる。

 た、確かに昨日は勢いで抱き着いちゃったけど……あれはあれで……。

 今思うと結構恥ずかしいことをやらかしてしまった、と静かに反省する。

 星君のことを好きになったけど、根本から何もかも変わるわけではない。

 恥ずかしさなんて健在だし、昨日のは例外。

「き、昨日は、その……。」

 うまく言葉が出ずにもごもごと口ごもる。

 星君はその光景を見て、何故か口角を上げた。

「ふふっ、やっぱり七月可愛い~。」

「か、可愛くなんかっ……!」

 ……褒められたのに素直に喜べないところも治るわけがない。

 恥ずかしげもなくさらっとそんなセリフを言った星君に、こっちが恥ずかしくなる。

 うーと顔を近くのぬいぐるみで隠す。