「七月から甘えてくれるなんて……嬉しい。」

 上機嫌な声でそう囁いてくる星君にかあっと顔が熱くなる。

「あ、甘えてるわけじゃ……。」

 反論して見せるも全く聞いておらず、ふふっと嬉しそうな笑みが聞こえてくる。

「僕にもっと甘えて良いんだよ、七月は甘えなさすぎだからね。」

 そう言われてよしよしと頭を撫でられると、もう私は動けなくなってしまった。

 っ……今のはズル、反則……。

 星君へそんな気持ちを抱きながら、私はやっと自分の願いに気付くことができた。

 星君の愛をずっとこうやって受けていたい。

 私だけを見てほしい、愛してほしい。

 重たいかな、なんて思ってしまったけど甘えて良いと言われれば甘えてみたくなるもの。

 だから、これくらいの願いは良いよね?

 私の願い事、それは……。

 ――星君に、ずっと愛されていたい。

 私は自分のそんな考えを恥ずかしくも思いながら、星君を抱きしめる力を強めた。