そう考えるようにしても、胸にぽっかりと穴がある気がしてならなかった。

「……学校行こ。」

 気を紛らわすために自分自身に言い聞かせるようにして、学校へ行く準備も始めた。



 学校についてもどうしても気分が上がらない私は机の上で何をするわけでもなく突っ伏す。

 私、こんなんじゃなかったんだけどな……。

 自嘲気味にそう思い、上から聞こえた声に顔を上げた。

「なんかいつにも増して大人しいわね。」

 視線の先には呆れたような顔をしている凛眞が仁王立ちしていた。

 り、凛眞さん怖いですよ……。

 決して口には出さない言葉を心の中で言って、凛眞に言い返す。

「いつもは大人しいってこと?」

 大人しくしてる自覚なんてない。むしろうるさくしてると思う。

 吐き捨てるように凛眞に言うと、凛眞はおもむろに「やっぱり。」というような顔をした。

「七月、いつもそんな冷たくなかったと思うけど……もしかして星君がいないせい?」

「……。」

 図星を突かれ、あからさまに黙る。

 私のこの動きから察したのか、凛眞は何かを納得するように首を縦に繰り返し振っていた。