空から降ってきた星君

 流星はそう言い残すと、何事もなかったかのようにいつもの笑顔でリビングに向かっていった。

 なんで今更、そんなこと言われなくちゃ……。

 そんな気持ちがこみ上げてきて、途端に悲しくなる。

「神様、何考えてるの?」

 僕の願い事を分かってるから、許可してくれたんじゃないの?

 神様が何を考えて、何を思って決断しているのかが全く分からない。

 僕には……分からない。

 そこまで考えてハッとする。

 七月にこのことを一応言っておかないといけない。

 急に僕がいなくなったら流石に七月でも焦るだろうし、僕だって気が気じゃない。

 そう無理やり思わせて、七月のいる部屋に戻った。

「七月、ごめんね。急に出たりして。」

 いつもの調子で話しかける。

 さっきの悲しさ、虚しさを隠すように無理やり笑顔を作る。

 七月は僕の声に気付いて、こっちを向いて不思議そうにしている。

「星君、もしかして調子悪い?」

 だけど詮索は一切してこずに、ただ自分の考えを正直に述べた。

 その優しさが……今は悲しくなる。