空から降ってきた星君

 自分がやってることが馬鹿らしくて、あははと乾いた笑みが無意識に浮かぶ。

 七月と離れたくないのに、いざ別れを自覚すると離れたくなるこの現象の説明をしてほしい。

 このまま七月といると、七月に迷惑を掛けちゃいそうだったから……。

 多少自嘲気味に考えている僕に、流星の言葉が聞こえた。

「星、明日一回天界へ戻れ。」

「……!?何で?何で戻らなきゃいけないの?」

 流星の発した言葉に何も言えなくなる。

 七月といられる時間なんて少ないのに、何でそんな意地悪なことを……。

 大体神様にも七夕までの許可は貰ってる。

 このタイミングで戻る予定なんてなかったはずなのに……。

「何で、じゃない。これは神様からの命令。」

「っ!」

 神様からの命令、僕たちはそれに逆らうことができない。

 神様は絶対的な存在で、神様の意向で僕たちの行き先も決まるものだから。

 ……生死が関わるときも。

「だから明日一度、俺と一緒に天界に戻る。そのことを七月ちゃんにも伝えといてあげてね。」