空から降ってきた星君

「星君、眉間に皺寄ってる。」

 その何気ない発言にも七月への愛が溢れる。

 おまけに今は僕が七月に抱き着いているから自然と距離が近くなる。

 あぁ可愛すぎ、本当我慢できなくなる。

 ほんのちょっと近づけばキスできる距離。

 だけどそんな強引なことをして七月を困らせたくない。

 ……だけど、可愛すぎでしょ。

 そんな葛藤と闘っていると不意に七月がこんなことを言った。

「星君は、私の願い事が見つかったら空に帰るの?」

 不安そうに眉の端を下げて僕のほうを見てくる七月に、驚いてしまう。

 だって最初の頃なんか、僕のことを天界に帰そうと必死だったし、僕に冷たかったからそんなこと言うなんて思って見なかった。

「うーん、帰ると思うよ。」

 ”七月の願い次第”では、そうなると思う。

 そりゃあ僕だってそんな簡単に帰りたくないし、七月と一緒にいたい。

 でも必要以上いて七月を困らせるほうがもっと嫌。

 僕が必死に言いたくなかった言葉を絞り出したところで、七月が一瞬だけ傷ついた表情を見せた。