流星があの女の子を連れて言ってくれて助かった。

　まさか七月が友達を連れてくるなんて思ってもなかったからちょっと……いや結構驚いた。

　蒼崎凛眞……彼女は七月の親友だとは認めてはいる。

　七月のことを唯一支えてくれた子だし、いい子ではある。

　けど……ちょっとだけ問題もある。

　蒼崎はいつもツンケンした態度を七月に”表面上”はしているけれど、中身は七月のことばっかり。

　僕が人間界に来る前、蒼崎のことも観察していたけど相当な七月ファンだった。

『はぁ、あの鈍感は何なのよ。でもそこが可愛いところなのよねー。』

　いつぞやの言葉が勝手に浮かんできて慌てて消そうとする。

　女子同士だからってベタベタしすぎだし、いわゆるツンデレだと思う。

　それに彼女は相当腹が黒い。

　でも何故か蒼崎はそれに気付いていなくて、これも困りもの。

　流星が恋敵(ライバル)になったのも少々面倒だけど、蒼崎まで入ってこられたら僕の歯止めが利かなくなる。

　どうしたものか、と何かを対策を検討しようとした時、黙った僕を不審に思ったのか七月が首を傾げてこっちを見た。