空から降ってきた星君

「七月ちゃん、ちょっとその子借りていい?」

 懇願してくるような表情でそう言われ、一瞬理解が追い付かなかったけどすぐに了承した。

「はい、良いですよ。凛眞は?」

 一応凛眞にも確認を取っておく。

 勝手に話進めたら何言われるか分からないし。

 凛眞にそう投げてみると、「分かったわ。」とあっさり了承。

 意外、凛眞が人の言うこと聞くなんて。

 明日、大変なことが起きなきゃいいけど……。

 凛眞の返事を聞いた流星さんはすぐさま凛眞を部屋の外へ連れ出した。

 その時、一瞬だけ見た凛眞の表情が不敵だったのは気のせい?

 そんな疑問を抱えながらも、気にしないように首を左右に振る。

 凛眞の変な笑みばっかり見たせいで疲れてるんだ、多分。

 半ば自分に言い聞かせるようにそう心で唱える。

 ……うん、気のせい気のせい。

 やっとのことで割り切れ、星君のほうを向く。

 抱き着かれてるからあんまり動かせないけど……。

「七月。」

 体を動かしている途中、星君の声が聞こえてピタッと止まる。