朝、目が覚めると衝撃的な光景が広がっていた。

「あ、七月おはよ。」

 一瞬理解ができず、頭の中でゆっくりと昨日の出来事を思い出す。

 確か変な妖精が降ってきて、願い事は神様に届かずそのまま……って感じだった気がする。

 徐々に鮮明になっていく記憶に、私はがばっと飛び起きた。

「星君、まだいたの!?」

 驚きと戸惑いを含んだ声色でそう伝えると、星君はにっこりと微笑んで首を縦に振った。

「当たり前でしょ!まだ七月の願い事見つかってないんだから!」

 大きな声でそう言われ、反射的に耳を塞ぐ。

 やっぱり、夢オチってわけじゃなかったか……。

 昨日寝る前に、朝目覚めたら昨日のは全部夢でしたーってなってることを期待したのに……どうしてこうも願いが届かないのでしょうか?

 朝から特大ため息を吐いてベッドから降りる。

「七月の寝顔、可愛かったよ。」

 音符マークがつきそうな勢いでそう言われ、星君をぺしっと叩く。

 軽くだけど。

 星君は頬を膨らませて怒ってる感じを見せたけど、顔面のせいで可愛いだけだ。