あ、もうそれじゃあれでいいか。

「そういうことならぜひ、この訳の分からない妖精さんを空に帰してください。」

 真剣な表情で空に向かって言ったはずなのに……。

「あー、願い事受理されてないねー。」

「な、何でっ!?」

 今の、結構な心からの願いだったのに!

 神様に愚痴を言いたくなったけど、現状が変わらないのならどうしようもない。

「……はぁー、これからどうすればいいんだろう。」

 小さく呟いたのに、星君にはばっちり聞こえていたようで。

「僕が七夕までに七月の願い事を探してあげるよ!」

 なんて良い笑顔でものを言うんでしょう、この人は。

 私はこれはもう仕方ないと自分に言い聞かせ、腹を括った。

 その日から、思っても考えてもいなかった願い事探しが始まったのです。