「俺この階段上るのー?ちょっと足痛いから休憩させて」
私と同じ景色を見ている空良君が、今だとばかりに両手を振り回して駄々をこね始めたけれど。
「お前は置いてく。後から来いよ」
お蕎麦屋から出た時は素直に休憩を取ってくれたのに、今回の彼は対応が異なっていた。
じゃあ私も休憩、と、鳥居に続く石段に腰を下ろしたエナを見て一瞬心が揺らいだけれど、此処で全員が離ればなれになるのはよろしくない。
仲良く水分補給を始めたカップルと、1人黙々と石段を登っていく滝口君を交互に見た私は、
「あ、ちょっと待って!」
と、迷わず彼の背中を追いかけた。
「…お前、休憩取んなくて良いの」
モデルのようなスタイルの滝口君は全く疲れていないのか、石段を登るすらりとした足はそのペースを乱さない。
「だって、滝口君も休憩してないし。それにこの場所、」
一段飛ばしで石段を駆け上がり、ようやく彼に追いついた私は、額から流れる汗を拭いながら答えた。
「選んだのはエナだけど、滝口君が一番来たかった場所でしょう?さっき、空良君も言ってたよ」
「…は?」
そう、私はさっきからずっと、空良君が言っていた”これから行く所も神社だし、神葉のテンションも爆上がりになること間違いないよ”という言葉の真意について考えを巡らせていたんだ。
私と同じ景色を見ている空良君が、今だとばかりに両手を振り回して駄々をこね始めたけれど。
「お前は置いてく。後から来いよ」
お蕎麦屋から出た時は素直に休憩を取ってくれたのに、今回の彼は対応が異なっていた。
じゃあ私も休憩、と、鳥居に続く石段に腰を下ろしたエナを見て一瞬心が揺らいだけれど、此処で全員が離ればなれになるのはよろしくない。
仲良く水分補給を始めたカップルと、1人黙々と石段を登っていく滝口君を交互に見た私は、
「あ、ちょっと待って!」
と、迷わず彼の背中を追いかけた。
「…お前、休憩取んなくて良いの」
モデルのようなスタイルの滝口君は全く疲れていないのか、石段を登るすらりとした足はそのペースを乱さない。
「だって、滝口君も休憩してないし。それにこの場所、」
一段飛ばしで石段を駆け上がり、ようやく彼に追いついた私は、額から流れる汗を拭いながら答えた。
「選んだのはエナだけど、滝口君が一番来たかった場所でしょう?さっき、空良君も言ってたよ」
「…は?」
そう、私はさっきからずっと、空良君が言っていた”これから行く所も神社だし、神葉のテンションも爆上がりになること間違いないよ”という言葉の真意について考えを巡らせていたんだ。



