「え、神葉君って態度冷たくてもイケメンオーラダダ漏れなんだねぇ」
そこに、今まで事の成り行きをじっと見守っていたエナが何処か感慨深げに口を挟み、滝口君が言われ飽きたかのようにレモン色の髪をガシガシと掻きむしった。
「空良、一旦お前の彼女黙らせろ」
「あのさ、俺が詩愛の口を塞げると本気で思ってるの?父さんに言って花火大会中止にさせるよ」
「何だよその脅し、聞いた事ないわ」
「だって今初めて言ったからね!」
(えっ、)
元は私と滝口君が神社に関する話をしていたのに、いつの間にか私と空良君の立ち位置が入れ替わっていて。
デジャブかと疑いたくなる2人の口論ぶりは、私達2人の間に漂った微妙な空気を打ち消す程の強さを誇っていた。
多分、空良君は私をフォローしてくれたんだ。
「なんかごめん。私、滝口君が跡継ぎとか何にも知らなくて」
その優しい空気に飲み込まれながらそっと謝ると、
「大丈夫だよ、神葉は異常にプライド高いだけだから!」
無意識なのか意図的になのか、空良君が笑いながら滝口君の地雷を踏んでいき。
「お前本当に言い方気を付けろよ」
「その言葉、そっくりそのまま返すからね」
彼らはどちらも本気で怒っているわけではないから、その言い争いは見ているだけで楽しくて。
ふふっ、と、思わず笑みが零れた。
幼馴染みのエナとその彼氏の空良君、そして、塩対応で学年一の人気者と称される滝口君。
こうして私の新学期は、そんな個性豊かな仲間と共に幕を開けたのだった。
そこに、今まで事の成り行きをじっと見守っていたエナが何処か感慨深げに口を挟み、滝口君が言われ飽きたかのようにレモン色の髪をガシガシと掻きむしった。
「空良、一旦お前の彼女黙らせろ」
「あのさ、俺が詩愛の口を塞げると本気で思ってるの?父さんに言って花火大会中止にさせるよ」
「何だよその脅し、聞いた事ないわ」
「だって今初めて言ったからね!」
(えっ、)
元は私と滝口君が神社に関する話をしていたのに、いつの間にか私と空良君の立ち位置が入れ替わっていて。
デジャブかと疑いたくなる2人の口論ぶりは、私達2人の間に漂った微妙な空気を打ち消す程の強さを誇っていた。
多分、空良君は私をフォローしてくれたんだ。
「なんかごめん。私、滝口君が跡継ぎとか何にも知らなくて」
その優しい空気に飲み込まれながらそっと謝ると、
「大丈夫だよ、神葉は異常にプライド高いだけだから!」
無意識なのか意図的になのか、空良君が笑いながら滝口君の地雷を踏んでいき。
「お前本当に言い方気を付けろよ」
「その言葉、そっくりそのまま返すからね」
彼らはどちらも本気で怒っているわけではないから、その言い争いは見ているだけで楽しくて。
ふふっ、と、思わず笑みが零れた。
幼馴染みのエナとその彼氏の空良君、そして、塩対応で学年一の人気者と称される滝口君。
こうして私の新学期は、そんな個性豊かな仲間と共に幕を開けたのだった。



