「…前に、この神社の横にある鳥居の前で会ったの覚えてるか?あん時、俺も参拝しようと思ってたんだけど、…駄目だった」
(待って、)
次に聞こえてきた滝口君の声が若干震えている気がして、驚いた私は息を飲む。
そう言われればあの日、彼は鳥居にもたれかかっていた。
何をする訳でもなく、私を待っていた訳でもなく。
それに、いつもは棒読みの滝口君がこうして声色を変えるなんて、普段では有り得ない事。
彼がごくりと唾を飲み込んだのが、はっきりと伝わった。
「…ごめん。俺、ずっと嘘ついてた」
彼が紡いだのは、大空に吸い込まれそうに儚い謝罪の言葉。
「夏祭りの日、俺が親父から言われた言葉覚えてるよな?……俺、小学生の頃にこの神社から出禁くらってるんだ。だから、つまり、…俺は、滝口神社の次期宮司なんかじゃない。皆に本当の事言って離れられるのが怖くて、ずっと嘘ついてた」
(嘘、……)
私はあんぐりと口を開け、固まる。
ずっと有り得ないと思っていたのに、まさかあの日の宮司さんの言葉が真実だったなんて。
空良もこの事は知らない、と、滝口君は無理やり明るい声を出しているけれど、
その中に隠し切れない大きな悲しみが含まれている事は、容易に理解出来た。
「小3の夏祭りの時、迷子になってた女の子を助けた事があってさ」
(待って、)
次に聞こえてきた滝口君の声が若干震えている気がして、驚いた私は息を飲む。
そう言われればあの日、彼は鳥居にもたれかかっていた。
何をする訳でもなく、私を待っていた訳でもなく。
それに、いつもは棒読みの滝口君がこうして声色を変えるなんて、普段では有り得ない事。
彼がごくりと唾を飲み込んだのが、はっきりと伝わった。
「…ごめん。俺、ずっと嘘ついてた」
彼が紡いだのは、大空に吸い込まれそうに儚い謝罪の言葉。
「夏祭りの日、俺が親父から言われた言葉覚えてるよな?……俺、小学生の頃にこの神社から出禁くらってるんだ。だから、つまり、…俺は、滝口神社の次期宮司なんかじゃない。皆に本当の事言って離れられるのが怖くて、ずっと嘘ついてた」
(嘘、……)
私はあんぐりと口を開け、固まる。
ずっと有り得ないと思っていたのに、まさかあの日の宮司さんの言葉が真実だったなんて。
空良もこの事は知らない、と、滝口君は無理やり明るい声を出しているけれど、
その中に隠し切れない大きな悲しみが含まれている事は、容易に理解出来た。
「小3の夏祭りの時、迷子になってた女の子を助けた事があってさ」



