いつもあそこを訪れる私と宮司さんは顔見知り同然の関係だし、もしかしたら彼も“毎朝お参りをしている女子高校生”の話は聞かされているかもしれない。
それで、もしもその“女子高校生”が私だと知られたら、きっと滝口君は私が神様に何を願っているのか聞いてくるはず。
そうなったら…、いや、口が裂けても『人の顔を見たい』とお願いしているなんて言えるはずがない。
それに私はこれまでに滝口君を見た事がなかったし、彼もこれが初対面だと言いたげな口振りだった。
大丈夫、こんな事、いちいち気にしてられない。
たった数秒の間に目まぐるしく頭を回転させてその結論に至った私は、凄いね、と、たった一言の感想を漏らした。
多分彼ももっと良い反応を期待していたんだと思うけれど、あまりに驚いたのとこれが予想外の展開過ぎて、上手く言葉を紡げない。
「…何か、お前って、」
やはり自分の予想と異なる反応が返ってきたからか、彼は私の方に顔を向けたまま声を出す。
その目が真っ直ぐに私を見ている事は分かったけれど、その表情までは理解出来なかった。
「やっぱ面白いわ」
だから、その言葉が暗に含んだ意味などもちろん理解出来なくて。
「ちょっ、お前友達に何て態度を!ほら、撤回しなさい!」
すかさず空良君が注意して、だって俺こいつと友達になった覚えないし、と、彼は棒読みの返事をする。
それで、もしもその“女子高校生”が私だと知られたら、きっと滝口君は私が神様に何を願っているのか聞いてくるはず。
そうなったら…、いや、口が裂けても『人の顔を見たい』とお願いしているなんて言えるはずがない。
それに私はこれまでに滝口君を見た事がなかったし、彼もこれが初対面だと言いたげな口振りだった。
大丈夫、こんな事、いちいち気にしてられない。
たった数秒の間に目まぐるしく頭を回転させてその結論に至った私は、凄いね、と、たった一言の感想を漏らした。
多分彼ももっと良い反応を期待していたんだと思うけれど、あまりに驚いたのとこれが予想外の展開過ぎて、上手く言葉を紡げない。
「…何か、お前って、」
やはり自分の予想と異なる反応が返ってきたからか、彼は私の方に顔を向けたまま声を出す。
その目が真っ直ぐに私を見ている事は分かったけれど、その表情までは理解出来なかった。
「やっぱ面白いわ」
だから、その言葉が暗に含んだ意味などもちろん理解出来なくて。
「ちょっ、お前友達に何て態度を!ほら、撤回しなさい!」
すかさず空良君が注意して、だって俺こいつと友達になった覚えないし、と、彼は棒読みの返事をする。



