傍から見ると言い争いをしているみたいだけれど、実際はお互いに気を許している事が容易に伝わってくる。
そんな彼らをぼんやりと見つめていると、エナが前に神葉君の性格について説明してくれた事を思い出した。
『神葉君は、あんなに完璧人間でモテるのに彼女が出来たことがないの。その理由は、』
あの時、ウキウキと話していた彼女は急に声を潜めてこう言ったっけ。
『神葉君があまりにも塩対応過ぎて、女子がすぐにそのペースについていけなくなるからなんだって』
(なるほど、そういう事か…)
彼が私に掛けた言葉の開口一番で、その性格が何となく分かってしまった。
と、そんな風に考えていると。
「あ、神葉の事を知らなかったって事は“滝口”って名字にも聞き覚えない?結構有名なんだよ」
半強制的に口論を切り上げたらしい空良君が、明るい声で話し掛けてきた。
「滝口?」
「そう、滝口」
ちらりとエナを見ると、彼女はこんなものは朝飯前だ、と言いたげに大きく頷いていて。
(あの時、ちゃんとエナの話聞いておけばよかった)
ここでまた下手な発言をすると、多分滝口君から心を抉られる様な発言が飛んでくるのだろう。
でも、何も言わないよりは当てずっぽうでも発言するのが勝ちだ。
「すぐそこの滝口神社なら、知ってるけど…」
もちろん、滝口と聞いて思い出すのはあの大きな神社。
そんな彼らをぼんやりと見つめていると、エナが前に神葉君の性格について説明してくれた事を思い出した。
『神葉君は、あんなに完璧人間でモテるのに彼女が出来たことがないの。その理由は、』
あの時、ウキウキと話していた彼女は急に声を潜めてこう言ったっけ。
『神葉君があまりにも塩対応過ぎて、女子がすぐにそのペースについていけなくなるからなんだって』
(なるほど、そういう事か…)
彼が私に掛けた言葉の開口一番で、その性格が何となく分かってしまった。
と、そんな風に考えていると。
「あ、神葉の事を知らなかったって事は“滝口”って名字にも聞き覚えない?結構有名なんだよ」
半強制的に口論を切り上げたらしい空良君が、明るい声で話し掛けてきた。
「滝口?」
「そう、滝口」
ちらりとエナを見ると、彼女はこんなものは朝飯前だ、と言いたげに大きく頷いていて。
(あの時、ちゃんとエナの話聞いておけばよかった)
ここでまた下手な発言をすると、多分滝口君から心を抉られる様な発言が飛んでくるのだろう。
でも、何も言わないよりは当てずっぽうでも発言するのが勝ちだ。
「すぐそこの滝口神社なら、知ってるけど…」
もちろん、滝口と聞いて思い出すのはあの大きな神社。



