夏休み明け、2学期が始まった最初の日。
私は、宿題以外何も入っていないリュックを揺らし、滝口神社で参拝をしていた。
鳥居へ戻る道の途中で、宮司さんが掃き掃除をしているのを見掛けた。
「まだまだ暑いから、熱中症には気を付けるんだよ」
以前と何ら変わらない優しい声。
この人が、夏祭りの日に滝口君にあんな事を言ったとは到底考えられない。
ただ会釈をして通り過ぎながら、私はそんな事を考えていた。
滝口君は、どうして跡取りではないんだろう。
その上神社出禁なんて、一体彼は何をしでかしたと言うの。
あの日以降、私は何度も滝口君と連絡を取る事を試みようとしてきた。
でもその度に、個人の問題に余計な首を突っ込んではいけないと、もう1人の私が釘をさしてきて。
滝口君の事が好きだからこそ、私が出来る事は今まで通りに接して影で支える事だけ。
そうやって決めたから、私は今日滝口君にようやく会える事を密かに楽しみにしていたんだ。
そんな事を考えながら登校すると、もう生徒の大半はクラスに揃っていた。
「やだあああ!空良と席離れたああっ!」
「俺もやだ、どうしよう!」
私は、宿題以外何も入っていないリュックを揺らし、滝口神社で参拝をしていた。
鳥居へ戻る道の途中で、宮司さんが掃き掃除をしているのを見掛けた。
「まだまだ暑いから、熱中症には気を付けるんだよ」
以前と何ら変わらない優しい声。
この人が、夏祭りの日に滝口君にあんな事を言ったとは到底考えられない。
ただ会釈をして通り過ぎながら、私はそんな事を考えていた。
滝口君は、どうして跡取りではないんだろう。
その上神社出禁なんて、一体彼は何をしでかしたと言うの。
あの日以降、私は何度も滝口君と連絡を取る事を試みようとしてきた。
でもその度に、個人の問題に余計な首を突っ込んではいけないと、もう1人の私が釘をさしてきて。
滝口君の事が好きだからこそ、私が出来る事は今まで通りに接して影で支える事だけ。
そうやって決めたから、私は今日滝口君にようやく会える事を密かに楽しみにしていたんだ。
そんな事を考えながら登校すると、もう生徒の大半はクラスに揃っていた。
「やだあああ!空良と席離れたああっ!」
「俺もやだ、どうしよう!」