滝口君と話していると勉強になって、尊敬出来て、もっともっと彼について知りたくなってしまう。
顔は見えなくても、私にとって、
私の手を引いてくれる彼は、この神社に居る誰よりも格好良くて美しい。
そんなこんなで歩いているうち、いつの間にか私がお参りをしている境内の近くにやってきた。
「せっかくだし、お参りでもしてく?」
境内をじっと見つめて動かない私に気づいたのか、滝口君が声を掛けてくれる。
私は、大きく頷いた。
「人、いっぱい居るね…」
木で造られた階段を登り切って後ろを振り返ると、老若男女問わず大勢の人々と、彼らを迎えるように並ぶ大量の屋台が目に入った。
その周りを囲うように吊るされた提灯が良い味を出していて、ひと目で滝口神社の広さを窺い知る事が出来る。
「そうだな」
滝口君も振り返り、感慨深げに呟く。
私にはのっぺらぼうが蠢いているようにしか見えないけれど、きっと彼は多くの人の笑顔をその目に焼き付けているんだろう。
「神様も、こんなに沢山の人が来てくれて喜んでるよね」
ぽつり、と。
人波から外れた事で冷静になったのか、そんな言葉が漏れた。
「え、お前…。馬鹿なくせに、たまには良い事言うじゃん」
良い雰囲気を作ったと思ったのに、隣の男子は再び笑ってその空気をぶち壊す。
「馬鹿ですみませんね!」
顔は見えなくても、私にとって、
私の手を引いてくれる彼は、この神社に居る誰よりも格好良くて美しい。
そんなこんなで歩いているうち、いつの間にか私がお参りをしている境内の近くにやってきた。
「せっかくだし、お参りでもしてく?」
境内をじっと見つめて動かない私に気づいたのか、滝口君が声を掛けてくれる。
私は、大きく頷いた。
「人、いっぱい居るね…」
木で造られた階段を登り切って後ろを振り返ると、老若男女問わず大勢の人々と、彼らを迎えるように並ぶ大量の屋台が目に入った。
その周りを囲うように吊るされた提灯が良い味を出していて、ひと目で滝口神社の広さを窺い知る事が出来る。
「そうだな」
滝口君も振り返り、感慨深げに呟く。
私にはのっぺらぼうが蠢いているようにしか見えないけれど、きっと彼は多くの人の笑顔をその目に焼き付けているんだろう。
「神様も、こんなに沢山の人が来てくれて喜んでるよね」
ぽつり、と。
人波から外れた事で冷静になったのか、そんな言葉が漏れた。
「え、お前…。馬鹿なくせに、たまには良い事言うじゃん」
良い雰囲気を作ったと思ったのに、隣の男子は再び笑ってその空気をぶち壊す。
「馬鹿ですみませんね!」



