しっかりと神の名を出して脅しをかけた後、彼はくるりとこちらを振り返って。
「面倒だから先に行こう。あいつらとは、花火大会の時にでも合流すれば良いだろ」
彼らとは全くの無関係です、と言いたげに、私の手を掴んでそそくさとその場を去ろうとした。
「え!?」
今、私達が別行動をするのは全く構わない。
でも、そうじゃなくて。
(手、握られてる…!)
何の一言もなしに手を繋がれたものだから、どうしたらいいのか分からない。
異性と手を繋いだのなんて、私が小学3年生の時、つまり8年前の夏祭りに兄に手を引かれて屋台の間を駆け回った時以来ではないだろうか。
(待って手汗!)
ドクンドクンと心臓が波打ち、もう私の右手を掴んだ滝口君の左手の温かさしか感じない。
「何?」
私が一向に進まない事に苛立ちを覚えたのか、滝口君はくるりと振り返った。
目も鼻も口もないその顔が、真っ直ぐに私の方へと注がれる。
「お前、人混み駄目なんだろ。また迷子にならないように、手握っててやるから」
淡々と紡がれたその言葉に含まれる優しさは、私の心を感動と幸せで満たしていく。
「っ、…うん、」
もう、理由なんてどうでも良い。
滝口君と手を繋げるなんて、これ以上ない幸せだよ。
「面倒だから先に行こう。あいつらとは、花火大会の時にでも合流すれば良いだろ」
彼らとは全くの無関係です、と言いたげに、私の手を掴んでそそくさとその場を去ろうとした。
「え!?」
今、私達が別行動をするのは全く構わない。
でも、そうじゃなくて。
(手、握られてる…!)
何の一言もなしに手を繋がれたものだから、どうしたらいいのか分からない。
異性と手を繋いだのなんて、私が小学3年生の時、つまり8年前の夏祭りに兄に手を引かれて屋台の間を駆け回った時以来ではないだろうか。
(待って手汗!)
ドクンドクンと心臓が波打ち、もう私の右手を掴んだ滝口君の左手の温かさしか感じない。
「何?」
私が一向に進まない事に苛立ちを覚えたのか、滝口君はくるりと振り返った。
目も鼻も口もないその顔が、真っ直ぐに私の方へと注がれる。
「お前、人混み駄目なんだろ。また迷子にならないように、手握っててやるから」
淡々と紡がれたその言葉に含まれる優しさは、私の心を感動と幸せで満たしていく。
「っ、…うん、」
もう、理由なんてどうでも良い。
滝口君と手を繋げるなんて、これ以上ない幸せだよ。



