メイクはピンク色が主に使われていて、私の目元はラメでキラキラしていてーエナが教えてくれたー、
元々胸まであった黒髪は編み込みとお団子でまとめられ、浴衣特有の清楚な雰囲気を象徴するかのように、朱色の簪で留められている。
一周回って戻ってきた先には、腕組みをしたままこちらを見つめる滝口君の姿。
そしてそのまま黙っていた彼は、遂に。
「…良いんじゃね。その緑、他の奴らと被んなくて分かりやすいし」
私の、若草色に白い紫陽花があしらわれた浴衣を、言葉足らずではあるけれど褒めてくれたんだ。
「ありがとう…!」
良かった、滝口君から良いと言ってもらえた。
私が最終的に選んだのは、若草色という鮮やかな黄緑色を基調とした浴衣だった。
この色は元の候補に入っていなかったけれど、滝口君の下の名前である“神葉”という名前を考えた時、真っ先に思い浮かんだのが若葉を連想させる緑色で、
そんな色の浴衣を身に纏う事で、滝口君との関係に変化があれば良いな、なんて考えたんだ。
恋に臆病だった自分がこんな風に攻めた考えをするなんて、我ながら少し恥ずかしい。
滝口君は、私がこの浴衣の色に込めた本当の想いに気付いていないと思う。
でも、学年一の有名人から直々に褒められて、夏祭りに参加する前から夢見心地の気分になった事は確かで。
元々胸まであった黒髪は編み込みとお団子でまとめられ、浴衣特有の清楚な雰囲気を象徴するかのように、朱色の簪で留められている。
一周回って戻ってきた先には、腕組みをしたままこちらを見つめる滝口君の姿。
そしてそのまま黙っていた彼は、遂に。
「…良いんじゃね。その緑、他の奴らと被んなくて分かりやすいし」
私の、若草色に白い紫陽花があしらわれた浴衣を、言葉足らずではあるけれど褒めてくれたんだ。
「ありがとう…!」
良かった、滝口君から良いと言ってもらえた。
私が最終的に選んだのは、若草色という鮮やかな黄緑色を基調とした浴衣だった。
この色は元の候補に入っていなかったけれど、滝口君の下の名前である“神葉”という名前を考えた時、真っ先に思い浮かんだのが若葉を連想させる緑色で、
そんな色の浴衣を身に纏う事で、滝口君との関係に変化があれば良いな、なんて考えたんだ。
恋に臆病だった自分がこんな風に攻めた考えをするなんて、我ながら少し恥ずかしい。
滝口君は、私がこの浴衣の色に込めた本当の想いに気付いていないと思う。
でも、学年一の有名人から直々に褒められて、夏祭りに参加する前から夢見心地の気分になった事は確かで。



