「そっか、…」
床に落ちたワイシャツを拾い上げながら、私はぽつりと口にする。
無言のエナの目が確かにこちらに向けられているのが雰囲気で感じられるのに、
それを見れないのが、こんなにももどかしい。
「…ごめん、諦めなきゃいけないって分かってるんだけど、」
最早何の為の謝罪かも分からないそれが、私の口をついで出る。
ただでさえ恋なんてしない方が良かったのに、私には福田さんを始めとする何人ものライバルが居る事になる。
社会科見学以降は自分の気持ちに蓋をして、勉強会で自分の気持ちに気付いて、
でも、この恋は実らない。
「何で?」
時計の秒針の動く音しか聞こえない更衣室で、エナの強い声が響いた。
弾かれたように彼女の顔を見上げるも、モザイクがかかっているみたいにぼやけている。
「何で諦めるの?そのまま突き進んじゃえば良いじゃん」
「え、だって、…私、滝口君の顔分からないし、」
ずっと胸にあったしこりについて、初めて言葉にした。
「……」
エナは、私の顔を凝視したままーだと思うー微動だにしない。
あれ、私また変な事言ったかな。
ただでさえ隠していた事を言い当てられて胸が痛いのに、動かないエナを見て冷や汗が流れそうになる。
「…でもそれって、裏を返せば、神葉君の内面を好きになったって事でしょ?」
床に落ちたワイシャツを拾い上げながら、私はぽつりと口にする。
無言のエナの目が確かにこちらに向けられているのが雰囲気で感じられるのに、
それを見れないのが、こんなにももどかしい。
「…ごめん、諦めなきゃいけないって分かってるんだけど、」
最早何の為の謝罪かも分からないそれが、私の口をついで出る。
ただでさえ恋なんてしない方が良かったのに、私には福田さんを始めとする何人ものライバルが居る事になる。
社会科見学以降は自分の気持ちに蓋をして、勉強会で自分の気持ちに気付いて、
でも、この恋は実らない。
「何で?」
時計の秒針の動く音しか聞こえない更衣室で、エナの強い声が響いた。
弾かれたように彼女の顔を見上げるも、モザイクがかかっているみたいにぼやけている。
「何で諦めるの?そのまま突き進んじゃえば良いじゃん」
「え、だって、…私、滝口君の顔分からないし、」
ずっと胸にあったしこりについて、初めて言葉にした。
「……」
エナは、私の顔を凝視したままーだと思うー微動だにしない。
あれ、私また変な事言ったかな。
ただでさえ隠していた事を言い当てられて胸が痛いのに、動かないエナを見て冷や汗が流れそうになる。
「…でもそれって、裏を返せば、神葉君の内面を好きになったって事でしょ?」



