そんな彼女は、私が他人と自分を区別出来るようにと、右手の人差し指に小さな花がかたどられた可愛らしい指輪をつけてくれている。
文句一つ言わず、彼女の素顔すら認識出来ない私の事を考えてくれるエナには感謝しかない。
この高校では、去年のクラス担任だった熊本先生と保健室の先生にしか私の病気を伝えていないから、理解のある友達がこうして近くに居てくれる事ほど有難い事はないわけで。
あの星座占い、やっぱり結構信憑性高いのかな。
占いでもなんでも、信じてみない事には何も始まらないのかもしれない。
そんな事を考えつつ、
「てか聞いて欲しいんだけど!私、この間からバイト始めたんだけどね…」
私の机に両肘を置き、わざとらしく深刻そうに話し始める彼女に目を向けた私は再び笑顔を浮かべた。
そうして、私達が他愛もない話に花を咲かせているうちに、段々とクラスメイトが集まってきて。
クラス内が段々と賑やかになっていく中、
「それで、春休み中にショッピングモールに行った時に、」
と話し始めたエナの声が、
「ここ5組で合ってるよね?熊ちゃんのクラスだよね、俺テンション爆上がりなんだけど!」
と、前のドアを開け放って叫んだ男子の声によって掻き消された。
(朝から元気だなぁ)
文句一つ言わず、彼女の素顔すら認識出来ない私の事を考えてくれるエナには感謝しかない。
この高校では、去年のクラス担任だった熊本先生と保健室の先生にしか私の病気を伝えていないから、理解のある友達がこうして近くに居てくれる事ほど有難い事はないわけで。
あの星座占い、やっぱり結構信憑性高いのかな。
占いでもなんでも、信じてみない事には何も始まらないのかもしれない。
そんな事を考えつつ、
「てか聞いて欲しいんだけど!私、この間からバイト始めたんだけどね…」
私の机に両肘を置き、わざとらしく深刻そうに話し始める彼女に目を向けた私は再び笑顔を浮かべた。
そうして、私達が他愛もない話に花を咲かせているうちに、段々とクラスメイトが集まってきて。
クラス内が段々と賑やかになっていく中、
「それで、春休み中にショッピングモールに行った時に、」
と話し始めたエナの声が、
「ここ5組で合ってるよね?熊ちゃんのクラスだよね、俺テンション爆上がりなんだけど!」
と、前のドアを開け放って叫んだ男子の声によって掻き消された。
(朝から元気だなぁ)



