──ピピッ、ピピッ、ピピピッ。



「んんー……」



頭上で目覚まし時計が鳴り出し、眉間にシワを寄せて、手探りで時計を止めた。

薄目で青白い光に照らされた障子を見る。


もう朝か……。


ゴロンと転がり、柔らかい布団から程よい硬さのある畳の上へ移動。

ゆっくり起き上がって客間を後にし、洗面所で顔を洗った。

いつもなら荷物が置いてある部屋に行って着替えるんだけど……。


静まり返った廊下を歩き、再び客間へ。
膝から崩れ落ちるように、ふかふかの布団に倒れ込んだ。

今日も散歩に行く予定なのは分かってる。けど、まだ誰も起きてないから。だからあと10分だけ……。







「いーちーかー! 起ーきーろー!」

「んんー……」



枕元で大きな声が響いたのと同時に、床をドンドンと叩く振動が頭に伝わった。

もう……朝からうるさい。

お腹にかかったタオルケットを頭まで引っ張り上げる。



「起きろって!」

「うわっ」